「かよちゃん」の手紙

週に何回か非常勤で児童施設の指導員をしている

学校が終わったあとの児童の居場所としての施設だ

そこでは児童は自由に過ごす

宿題をする子、おもちゃで遊ぶ子、様々だ

この施設に1年生の頃から通っている「かよちゃん」と言う6年生の女の子がいる

その子は、良く顔を出しては低学年の子たちの面倒をみてくれる

特に支援学級の子たちと仲良く遊んでくれる

特別支援学級の子たちも普通学級の子たちと同じ場所で過ごすが、知的障害があるので、一緒に遊ぶのは正直難しいと感じる

その子どもたちのあいだに、かよちゃんは入ってくれて上手に仲を取り持ってくれる

指導員としてはとても頼もしく有り難い存在だ

かよちゃんは、低学年の子たち、みんなから慕われている

かよちゃんが施設に顔を出すと、みんなが「かよちゃ~ん」と言ってかけよってくる

あやとり、シルバニアファミリー、トランプ、なんでも相手をしてくれる

みんな彼女のことが大好きだ

今年の3月、かよちゃんは卒業していった

子どもたちみんなの「寄せ書き」が書かれたノートを手に

そして指導員の全員に手紙を渡して

かよちゃんが顔を出す曜日と僕の勤務日は重ならないことが多く

後半はあまり会えなかったが、それでも話す機会はいくつかあった

近くの中学校に通う彼女と、道ばたでバッタリ会うことはあるかもしれない

しかし、成長していく彼女を僕が見ることはもうないだろう

どうか今の心やさしいまま成長していってほしいと願っている