「家を売る」と介護サービスや医療費の「自己負担が高くなる」話

「家を売ったら看護師さんに払う料金が高くなってしまった」

以前、介護の訪問先で76歳の男性が、ため息まじりに話していたことがある

彼は糖尿病で片足を切断し車いす生活をおくっている
妻との二人暮らし

妻は小規模の弁当屋を営んでいて収入はあるが、店の家賃などの経費があるため、残った利益はわずかになるらしい

生活していくお金が少ない、とのことで長年住んでいた家を売ったとのこと
その後、中古のマンションを購入して住んでいた

療養の必要があり、訪問看護と訪問診療を利用している

今まで利用料金は1割の自己負担を支払っていたのだが、
それが3倍になってしまったとのことだった
しかも、医療費も高くなってしまった

病院での診療費、薬局での薬代も高くなってしまった
薬は1ヶ月単位でもらうことが多いので、積もると結構な金額になる


介護サービスの自己負担の割合は、

年間どれだけの利益があったのか

前年度の合計所得によって決まる

確定申告では変えられない

後期高齢者の医療費の割合も似たような制度だ

譲渡所得の損益通算は使えるようだが、前述の彼の場合は合計所得が増えてしまったようだ

介護保険の負担割合は、1~3割の区分がある
今まで1割だったのが、その年から3割になり彼は困っていた

しかし、負担割合に関しては支援する手立ては無い

これは払って頂くしかないのだ

ただし、負担割合は1年ごとに見直して変わる

彼の3割負担は1年間だけの話だ(その1年が大変なのだが)

(電動)車いす生活の彼は、一人で毎日、外食に出かていた

糖尿病もあり食事管理や服薬管理は必須だったのだが、そんなことはおかまいなし
とにかく食べることが大好きで自由に暮らしていた

当然、足の創部の状態はよくない

切断した病院に定期的に通院していたが、またもう少し切断しよう
との話もでた

さすがに彼は少し落ち込んだが、しばらくすると、また外食に出かけるようになった

妻の店にもよく顔を出す

店が終わって妻と一緒にバスで帰るのが好きなようだ

電動車いすとバスを活用して縦横無尽に動きまわる彼を止めることは出来ない

おそらく最後まで自由な生き方を貫いていくのだろう