うちの息子は、保育園の頃は良く話し、友達と仲良く遊ぶことは普通にできていた。
変化が出始めたのは、小学校に入学してからだろう。
人と会っても挨拶しない。話しかけられても返事をしない。
児童にはよくあるタイプで、成長すればおのずと出来るようになるだろうと思っていた。
多分、2年生の頃だったと思う。学校での様子を参観できる機会があり、時間があった僕は参観した。
体育館で児童が3~4人くらいのグループを作って互いにボール(ドッチボール大)を投げてキャッチしあう授業風景だった。うちの息子もその中のグループの一人だった。
友達が投げるボールをキャッチしなければいけないのに、うちの息子は受け取る構えをしないのだ。
ただ手をぶらんと垂らして友達が投げるのを待っているのだ。
相手の友達は、ボールを投げて良いのか躊躇していた。結局、別の人にボールを投げてしまっていた。手を構えてない相手に対してボールを投げて良いのか、躊躇してしまうのはあたりまえだと思う。友達は手を構えてくれる相手にだけボールを投げ合っていた。うちの息子には誰もボールを投げてくれない状態になっていた。
自宅に帰ってから息子と話した。手を構えないと、相手がボールを投げにくいことを息子は知らなかった。その日は二人でボールを軽く投げ合って、手を構える練習をした。
その後も、息子の様子を見てきたが、友達と外で遊ぶことはほとんどなかった。家でゲームや動画を見て過ごすことがほとんどの過ごし方だ。
担任の先生からも話しがあった。
息子は、学校生活では授業で話すことが苦手なようで、先生も気を使って対応しているとのことだった。
学年が上がるごとに担任の先生の話しがあったが、毎回同じような内容で、結局、人前で話しをすることが苦手とのことだった。
息子には全く仲の良い子が居ないわけでは無い。
親しい友達は2人ほど居る。
ホントにたまにうちにゲームなどで遊ぶにくることがある。
その友達が時々、息子を誘って公園に遊びに連れ出してくれることがある。しかし、30分も立たないうちに息子は一人ですぐに帰ってくる。友達は公園で続けて遊んでいるが、その友達にバイバイも言わず一人で帰ってきてしまうのだ。
おそらく公園には他にも何人かの同じ学校の子が居たりするのだろう。
息子の友達は、その他の子達とも遊んだりする。しかし、息子はそういうことが出来ないのだ。
それで一人で勝手に帰ってきてしまうのだろう。
そんな状態の息子のことが心配だった。
しかし、簡単に諭すことは難しい。そもそも話しをして理解できるのであれば、そんな身勝手な人付き合いはしないと思う。
やはり経験を積んでいくしか無いのだろう。
そう思い、見守ってきて時が立ち、息子は5年生になった。
そして前述した妻からの訴えがあったのだ。
息子は一人ぼっちになっていた。
僕と妻は、何とかしなければと行動をおこし始めた。